すぎたこどもクリニック(埼玉県朝霞市)
【風疹・先天性風疹症候群とは】
風しんとは、14~21日の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹(特に耳介後部、後頭部、頚部)が出現するウィルスの病気です。
数日の経過で自然治癒することが多いですが、妊娠初期の妊婦が感染すると胎児に様々な異常を引き起こすことがあります。それを「先天風疹症候群」といいます。
「先天風疹症候群」は、赤ちゃんに先天性心疾患、難聴、白内障、網膜症などの異常をおこす疾患です。風しんが流行した翌年に先天風疹症候群の児の出生が増えるとされています。
【対策について】
日本では、風疹ワクチンを1回しか接種していなかったり、1回も接種する機会がなかった世代(特に男性)の方が多く、充分な免疫を持たない成人が増えたことが、今回の流行の原因となっています。
充分な免疫を獲得するには、2回のワクチン接種が必要です。
現在の子どもたちはMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)を2回接種することになっていますが、現在成人になっている人で、2回接種している人はごく僅かしかいません。
従って、できるだけ多くの成人男女がワクチンを接種することが、感染拡大を防ぐ一番良い方法であり、生まれてくる赤ちゃんを風疹の脅威から守ることになります。
(ご自身の接種歴がよく分からない方でもワクチンを接種することが勧められます。)
妊娠中の女性は接種できないので、もし妊娠中に風疹抗体価が低いことが判明しても、ワクチンを接種することができません。
その場合には、ご家族(特に旦那さま)がワクチンを接種して感染する確率を可能な限り下げるような対策が求められます。
一番良いのは、妊娠前にご夫婦ともにワクチンを接種しておくのがベストです。
これから妊娠を希望される方がいらしたら、「今のうちに」ご夫婦でワクチン接種しておくことを勧めます。
(でもここは小児科のサイトなので、妊娠前の方がここを覗く機会は少ないと思われるので、お知り合いなどで、そのような方がいらしたら教えてあげて下さい。)
【ワクチンの種類について】
風疹の流行を抑えるだけなら、風疹単独ワクチンで充分です。しかし、胎児にとって脅威となるのは、風疹だけではありません。麻疹に対しても風疹と同様の対策が必要です。
妊娠中に母が麻疹にかかってしまったら、早産のリスクが増大します。
麻疹に関しても2回のワクチン接種が必要であり、多くの成人世代が1回のみの接種で終わっている現状を考慮すると、ワクチンを接種する際には「麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」を選択することが勧められます。
ワクチン接種をご希望の方は、当院にお問い合わせ下さい。
048-458-6600
※女性の場合、妊娠中は接種できません。また、接種後2ヶ月間の避妊が必要です。
【公費助成について】
朝霞地区四市では、公費助成が行われてきましたが、平成26年3月31日をもって公費助成は終了しました。